ファッションAI(人工知能)「SENSY」を開発するカラフル・ボードは2016年6月29日、食品卸最大手の三菱食品と提携し、SENSYの技術を味覚に応用した「食の人工知能プロジェクト」を始めたと発表した。個人の味覚を学習し、嗜好に合った食品を勧めるAI技術の開発に共同で乗り出す。
三菱食品はAIの開発に当たり、食品の業界知識や、取引先の小売店など実証実験の場を提供する。両社はこのAI技術に基づき、原料生産者、加工・製造業者、小売業者、消費者などに向けたサービス開発を行う。「味覚をデジタル化することで、ソムリエの代わりにワインを勧めるAIなど、食の課題を解決するプロダクトを開発したい」(カラフル・ボード 代表取締役CEOの渡辺祐樹氏)。
カラフル・ボードは第一弾として、ワインの嗜好を学習するアプリケーションを試作した。
ユーザーは3つのワインを試飲し、それぞれのワインの味について甘味、酸味、苦味、渋み、余韻の感じ方と、味の好みについて、それぞれ5段階でアプリに入力する。アプリはこの入力データをもとに、個人の味覚のバラつきや嗜好を分析。「リラックスして飲む」などのシチュエーションを入力すると、事前に用意した50本のワインから、ユーザーの嗜好にあった1本を勧める。
将来は、個人の味覚のバラツキをもとに、ワインと料理の組み合わせを勧められるようにする考えという。