センサー子局の設置イメージ
センサー子局の設置イメージ
(出所:NEC)
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 NECは2016年6月28日、土砂に含まれる水分量から土砂斜面の崩壊の危険性の変化をリアルタイムに見える化する「土砂災害予兆検知システム」を同日から販売開始したと発表した。参考価格(税別)は1斜面あたり初期費用690万円、月額7万円から(センサー子局3台、中継局1台、設計・設置工事費込み)。

 同社のデータ解析技術を活用して、土砂斜面の崩壊の危険性を求める解析モデル「斜面安定解析式」に必要な土砂の重量・粘着力・摩擦、土中の水圧という土砂状態を表す4種のパラメーターを、土砂に含まれる水分量のみから算出した。土砂に含まれる水分量を測定するセンサー子局を斜面に設置するだけで、リアルタイムに土砂斜面の崩壊の危険性を見える化できる。

 土砂斜面に設置して土砂に含まれる水分量を測定するセンサー子局、複数のセンサー子局の測定データをまとめてクラウドに送信する中継局、測定データを蓄積・解析するクラウドサービスから構成される。センサー子局は電源工事が不要なバッテリー稼働で、省エネ設計と合わせて2年程度の長期間稼働が可能。通信は、免許申請が不要な920MHz帯特定小電力無線を利用する。データ蓄積・解析機能はクラウドサービスとして提供することで、低コストでのシステム導入・運用を可能にした。

 同社の防災情報システムと連携して、同システムによる土砂斜面の危険性と、河川水位や監視カメラ映像などの各種データを統合管理が可能。今後、シミュレーションシステムなどの各種システムとも連携する予定。さらに、ALSOKの24時間365日の監視サービスとの連携を検討しており、両社共同で実証実験を実施中。

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