富士通は2016年6月28日、診療所向け電子カルテシステム「FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE LifeMark-SX」の事例として、安井内科(兵庫県宝塚市)が2016年1月に導入し、稼働させたと発表した。医療事務に加えて新たにカルテを電子化したことによって、医療サービスの効率を高めた。

 安井内科は、地域のかかりつけ医として機能する診療所である。2007年には、医療事務ソフト「HOPE SX-J」を使って医療事務を電子化したが、カルテは電子化していなかった。今回、医療事務ソフトの機能を兼ねた電子カルテソフトのHOPE LifeMark-SXを導入したことで、受付から診察、会計請求までを一貫して処理できるようになった。

 導入効果の例として、窓口会計のタイミングで診療報酬明細書のデータをリアルタイムに自動作成できるようになった。これにより、月末月初に集中しやすい請求業務を平準化できた。また、伝言メモ機能によって、医師、看護師、医療事務スタッフとの情報共有が可能になった。患者の症状に対する注意事項などを電子カルテ上で共有し、安全な診療に役立てているという。

 システムはオンプレミス型で、業務サーバー1台と2台のクライアント(電子カルテ端末と医療事務端末)で構成する。診療所は小規模で、医師、看護師、医療事務スタッフの4名で構成する。

 HOPE LifeMark-SXが提供するクラウド連携機能も利用している。専用のクラウドサービス上で適時更新される新薬の情報を、電子カルテの画面上で閲覧できる。電子カルテの情報をクラウド側でデータバックアップする機能も使っている。2016年7月からは、モバイル端末を使って往診先からカルテを入力したり参照したりできるようにする機能を使い始める予定である。