米ガートナー リサーチ部門 バイス プレジデント 兼 最上級アナリストのフランシス・カラモウジ氏
米ガートナー リサーチ部門 バイス プレジデント 兼 最上級アナリストのフランシス・カラモウジ氏
[画像のクリックで拡大表示]

 ガートナー ジャパンが開催したイベント「ガートナー ソーシング&戦略的ベンダー・リレーションシップサミット2016」で2016年6月24日、米ガートナー リサーチ部門 バイス プレジデント 兼 最上級アナリストのフランシス・カラモウジ氏が基調講演に登壇した。題名は「ソーシングの未来:最大級の機会と危機に備えよ」。その中で、挑戦的なITアウトソーシングにおける「多く失敗しながら成功を探す戦略」の必要性を訴えた。

 カラモウジ氏は企業の取るべき戦略を「バイモーダルなIT」と紹介。ITアウトソーシングの目的を、計画的な事業遂行と、新しいアイデアを得ることに分け、両方の戦略が必要だと説いた。「新しいアイデアに挑戦し、速く失敗することが重要だ」(カラモウジ氏)。多くの失敗が、成功するアイデアを得るために必要だという。

 ITアウトソーシングの目的が変化しているとし、「従来はコスト削減が目的だった。今は高速化が目的だ。これからは高品質が目的になる」と説明した。高品質を目的としたアウトソーシングでは、業務を委託するのではなく顧客とベンダーが協力して新しいアイデアを考えるべきだという。

 また、米Facebookがメッセージングアプリケーションを手がける米WhatsAppを買収した例をあげ、「従業員人数60人に満たない企業に約200億ドルもの値段がついた。少数精鋭の企業を見逃さず、速く関係を作るべきだ」と警鐘を鳴らした。