米IBMは現地時間2016年6月22日、コグニティブコンピューティング技術「Watson」を活用した医療分野における協業を発表した。医療システムや大学病院、画像処理技術企業などが参加し、より迅速な疾病の特定や治療法の判断といった医療向上を支援する。

 同協業では、Watsonの能力を利用して、非構造化画像データから実行可能な洞察を抽出し、他の様々なソースによる多様なデータと組み合わせられるようにする。肺がんや乳がん、心臓病、糖尿病、脳疾患などの疾病において従来は見過ごされがちな早期発見が実現できるようWatsonをトレーニングする。

 これにより医師は個々の患者に適した治療法を判断し、一方で患者全体にとって利益となるナレッジの構築が可能になる。医療におけるコストおよび運用面での効率化、医師のワークフローの向上にもつながるとしている。

 同協業の立ち上げメンバーには、IBMが昨年買収した医療向け画像処理技術の米Merge Healthcareをはじめ、米国、ドイツ、スイスなどの医療関連企業、米国の医療センターや放射線検査機関、大学病院など16の組織が含まれる。

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