富士通システムズ・ウエスト(FWEST)は2016年6月22日、ジェネリック医薬品メーカーである共和薬品工業に対し、データ管理業務のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービスを提供開始したと発表した()。システム構築が要らない「データ受け渡し型」のBPOサービスメニューのパイロットユーザーとして2016年3月から提供している。

図●共和薬品工業が利用している実消化データ管理業務の外部委託サービス(データ受け渡し型)の概要
図●共和薬品工業が利用している実消化データ管理業務の外部委託サービス(データ受け渡し型)の概要
(出所:富士通システムズ・ウエスト)
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 FWESTは2010年から、医薬品メーカーのデータ管理業務を受託するBPOサービス「実消化データ管理業務の外部委託サービス(実消化BPOサービス)」を、「実消化サービスセンター」(大阪市中央区)において提供している。これまでは、FWESTが運用するデータ管理システムの構築形態に合わせて、「オンプレミス型」や「クラウド型」(データセンター型)を提供してきた。

 2016年3月からは、データ管理システムを構築することなく利用できる新メニューとして、「データ受け渡し型」のサービスの提供を開始した。医薬品メーカーからデータを受け取って加工し、加工済みのデータを医薬品メーカーに返す仕組みである。データ加工システムの運用ではなく、データの加工をアウトソーシングできる。同メニューの第一号ユーザーが共和薬品工業であり、メニューの開始と同時に稼働を開始した。

 アウトソーシングする業務の内容は、医薬品の納入実績データをクリーニング(正規化)するというもの。業界VANなどから入手した卸販売データをクリーニングしたり、関連する各種マスター情報をメンテナンスしたりする。これにより、データを利活用できるようになる。FWESTによれば、納入実績データの加工は専門性をともなう業務であり、アウトソーシングによって負担を大きく減らせるとしている。