図1●ものづくり見える化ソリューションの一つで、スループットを見える化するアプリケーションの例
図1●ものづくり見える化ソリューションの一つで、スループットを見える化するアプリケーションの例
(出所:NEC)
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図2●エッジコンピューティングソリューションの概要
図2●エッジコンピューティングソリューションの概要
(出所:NEC)
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 NECは2016年6月21日、工場の稼働状況をIoT技術を使って見える化するシステムを構築するSIサービス「ものづくり見える化ソリューション」を発表した。生産現場の「スループット」「品質」「オペレーション」をそれぞれ見える化するための三つのメニューを提供する。価格(税別)は、個々のメニュー当たり500万円から。2016年10月に提供開始する。

 コンサルティングからシステム構築、運用保守サービスまでトータルで提供する。原則として、センサーデータの収集システムなどのように、分析対象のデータを継続的に収集する環境が整っていることを前提に、収集したデータを見える化するシステムを構築する。必要に応じて、データを収集する機能やセンサーの設置なども含めて個別対応で提供することも可能である。

 スループットを見える化するシステムを構築するメニュー「スループット」では、オーダーの滞留状況や積算コストを見える化し、滞留の原因を分析して改善活動につなげられるようにする(図1)。滞留を最少にし、最も短いリードタイムで効率的に製品を製造・供給できることを目指す。

 残りの二つのメニューのうち、品質を見える化するシステムを構築する「品質」では、製造品質を管理するための五つの要素(人、方法、機械、材料、計測)の情報を収集して蓄積し、製造品質を分析できるようにするとともに、製造工程のトレーサビリティを実現する。複数の製造条件の相関関係を分析し、不良の原因を特定して品質向上を図れるようにする。

 最後のメニューである「オペレーション」は、工場におけるオペレーションを見える化するシステムを構築する。作業員やモノの動きをBeaconやRFIDタグ、画像などによってリアルタイムに把握し、これらに対してナビゲーションを提供することによって現場作業を効率化する。また、動線や滞留ポイントの分析によって、工程設計や作業手順の改善につなげる。さらに、NECの耐騒音音声認識ソフト「VoiceDo」を使い、声を使って入力や操作ができるようにする。

 ものづくり見える化ソリューションを構成する別メニューとして、工業製品の表面に自然発生する紋様を基に工業製品の個体を識別する画像認識技術「物体指紋認証技術」を工場に適用する「物体指紋認証による個体識別」も提供する(関連記事:NECがスマホ撮影で製品の真贋を判定する技術、事例第一弾はエルゴベビーの抱っこひも)。価格は個別見積で、2017年度上期(2017年4月から2017年9月)に提供する。

 また、ものづくり見える化ソリューションとは別のサービスとして、IoTデバイスが生成した大量のデータを、クラウドなどの外部システムに転送することなく現場で処理することを指す“エッジコンピューティング”を実現するシステム構築サービス「エッジコンピューティングソリューション」も提供する(図2)。価格は個別見積で、2016年度下期(2016年10月から2017年3月)に提供する。