九州通信ネットワーク(QTNet)と共同技術コンサルタントは2016年6月21日、宮崎市および高千穂町の協力を得て、宮崎県内2カ所の橋梁でインフラモニタリングのフィールドテストを開始したと発表した。

 今回のフィールドテストの対象としているのは高松橋(宮崎市)と下田原大橋(高千穂町)で、「ひび割れ」「傾き」「温度」「たわみ」「変位」「ひずみ」「震度」をモニタリング項目とする。実施期間は2016年4月から2017年3月までを予定する。

 インフラモニタリングとは、社会インフラの高齢化時代を迎え、維持管理コストの増加や技術職員不足という橋梁管理者である自治体が抱える課題の解決をするための手段という。具体的には、橋梁のひび割れや傾きなどのセンサーで計測した情報を光ファイバーや無線通信により、橋梁向けモニタリングシステムを介して集約・見える化を実現し、橋梁管理者や建設コンサルタント会社に提供する。

 モニタリングシステムはクラウドサービスなので、いつでもどこでも橋梁の状態把握が可能という。QTNetと共同技術コンサルタントは、「将来的には通信環境が不十分な地域の橋梁にもインフラモニタリングを展開できるように、路車間通信などの新たな技術を活用したインフラモニタリングの検証にも取り組んでいく」としている。

 今回の取り組みでは、宮崎大学をはじめ、九州内の大学教授や通信・土木技術を専門とする企業の有識者メンバーによる「みやざきインフラモニタリング研究会」の知見を取り入れる(関連記事へ)。これによって、「土木×通信」技術による効率的なインフラモニタリングの実現を目指す。

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