インド政府は外国直接投資の規制を緩和する新制度について発表した。これにより米Appleが同国で進めている直営店「Apple Store」開設の計画が実現する見通しになった。複数の海外メディアや通信社(Times of IndiaThe Next WebReutersなど)が現地時間2016年6月20日までに伝えた。

 インドではApple Storeのような店舗は「シングルブランド・リテール」に分類され、その外資比率が51%を超える場合、金額ベースで約30%の製品・部品をインド国内企業から調達しなければならない、いわゆる“30%調達ルール”がある。

 しかしAppleの製品は大半が中国で製造され、部品も中国などインド以外の国で作られているため、この要件を満たすことができず、同社はこれまでインドで直営店を開設できなかった(関連記事:Appleのインド直営店計画、外資規制が2~3年限定で免除される見通し)。

 インド政府が20日に発表した新制度では、シングルブランド・リテールを含む特定の外国企業に対し、国内調達義務を3年間免除する。またその取り扱い商品がインド国内では入手不可能な最先端の技術と当局が認めれば、さらに免除期間を5年延長する。今回の規制緩和では、スウェーデンの家具大手IKEAもその恩恵を受けることになると、Times of Indiaは伝えている。

 The Next Webによると、Appleは2017年の年末までにフロア面積が約1万平方フィート(約281坪)の店舗を、ニューデリーやバンガロール、ムンバイなどのインド主要都市でオープンする計画を立てている。

 Appleは現在、インドの大手・中堅小売業者と提携し「Apple Premium Resellers」というフランチャイズ方式でApple専門店を展開したり、地場小売店の中に「Apple Shop」というコーナーを設けたりし、小売り事業を展開している。

 だがこれらの事業主体は地場企業で、Appleは製品を輸入し、卸すという役割に徹している。これらのほとんどの店舗では現在、一貫性のある高水準の顧客サービスを提供していないと、The Next Webは伝えている。