写真●中京銀行 執行役員事務統括部長の堀田晃氏
写真●中京銀行 執行役員事務統括部長の堀田晃氏
(撮影:筒井誠己)
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 2016年6月16日、ICTの総合展「ITpro EXPO 2016 in 名古屋」(主催:日経BP社)のKEYNOTEに中京銀行で執行役員事務統括部長を務める堀田晃氏(写真)が登壇。「中京銀行におけるタブレット活用への取り組み」というタイトルで、3年にわたる同行でのタブレット活用について講演した。

 中京銀行は従業員数1222人、預金量318億4400万円で、愛知県を中心に87の有人店舗を持つ(いずれも2016年3月末時点)。「トヨタ自動車の存在もあり、東海地方の景気はそこそこ良かったが、上向きまでは行っていない。アベノミクス効果で一時期は環境が良くなったものの、昨今は厳しい」(堀田氏)。

 さらに、名古屋地域には名古屋金利(全国の平均貸出金利を下回る金利を設定する習慣)があるのに加えて、昨今は低金利・マイナス金利の状況になっており、「金融商品の販売手数料をいかに伸ばしていくかが大切になる」(同)。

 そこで中京銀行が着目したのがタブレットの活用だ。渉外行員の活動量を増やす、パンフレットよりも効果的な金融商品販売のツールを実現する(「これまでシステムツールは現実には存在しなかった」)、店頭営業の際に顧客にアピールする(「以前は何かというと定期預金を勧めていたが、今の低金利ではアピールしにくい」)といった目的に適すると考えた。

想定よりも利用されなかった

 タブレットの導入は、公開情報を扱うSTEP1、行内情報や顧客情報を扱うSTEP2、業務ナビゲーションを提供するSTEP3という3段階で進めることにした。「当初から全てのステップを実現するのは重すぎるし、時間がかかる」(堀田氏)ので、とにかく早く導入して、改善を繰り返ししつつ展開していく方針を採った。

 2013年6月から2014年4月までのSTEP1は、電子パンフレットや投信情報、ローン/相続シミュレーションを顧客に見せるもので、パッケージを利用して開発の短期化や低コスト化を図った。