中国の配車サービスDidi Chuxing(滴滴出行)が米Appleなどから70億ドルを調達したと、米Wall Street Journal(閲覧には有料登録が必要)が現地時間2016年6月15日に報じた。

 関係筋によると、Didiは今回の資金調達ラウンドで、Appleから10億ドル、中国の生命保険大手から6億ドルなど、合計45億ドルを獲得。さらに中国China Merchants Bank(招商銀行)から25億ドルの借り入れに成功した。

 AppleによるDidiへの出資は先月すでに報じられていた(関連記事:Apple、中国配車サービス大手に10億ドルを出資)。Didiは中国Alibaba Group(阿里巴巴)と中国Tencent Holdings(騰訊控股)からも出資を受けているが、今回のAppleからの出資は「単独では過去最大額」という。

 今回の取引に基づくDidiの企業価値は250億ドル以上と見積もられ、一方、米配車サービス大手のUber Technologiesは企業価値が625億ドルとされている。

 Didiは中国配車サービス市場での支配的地位を巡ってUberと激しい競争を繰り広げ、現在「ユーザーは約3億人、1日あたりの乗車数は1400万回で、中国におけるシェアは87%」と主張している(米The Vergeの報道)。

 Didiの手元には100億ドル以上の現金があり、Uberとの競争にいっそう資金を投じることができる。Didiは中国以外にも目を向けており、4月には米国を旅行する中国人、中国を旅行する米国人に向けた相互サービスで米Lyftとの提携を発表した(関連記事:LyftとDidi Kuaidi、米国で中国人向け配車サービスをテストへ)。