Facebookの提供する自殺防止ツール
Facebookの提供する自殺防止ツール
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 米Facebookは現地時間2016年6月14日、米国で提供している自殺防止ツールを世界で利用可能にすると発表した。Facebookサービスを展開している国/地域のすべての言語に対応する。

 Facebookは2011年より、National Suicide Prevention Lifeline(全米自殺防止ライフライン)と提携し、自殺防止の対策に取り組んでいる。2015年には全米自殺防止ライフラインのほかForefrontやSave.orgといったメンタルヘルス関連の組織とも協力し、Facebook上で自殺をほのめかすコンテンツを見つけたユーザーが報告するためのツールなどを強化して米国で提供を開始した(関連記事:Facebook、自殺防止の取り組みを強化)。

 今後、世界中のユーザーはこれらツールを使って、自傷や自殺を示唆する投稿をFacebookに報告できる。Facebookでは24時間体制のチームが報告内容について確認し、当事者に役に立つ連絡先情報やホットラインなどのリソースを提供する。

 米メディアの報道(New York Times)によると、ドロップダウンメニューから手軽にアクセスできる同報告ツールはこれまで英語のみ対応していた。報告を行ったユーザーには、「当事者に直接メッセージを送る」「共通の友だちに知らせる」といった選択肢が提示される。

 報告されたコンテンツの投稿者に対しては、「あなたの投稿を見て心配している人がいます」とのメッセージとともに、「友だちに相談する」「ホットラインに連絡する」「アドバイスをもらう」などのオプションを表示する。

 なお米TechCrunchはFacebookの自殺防止ツールについて、プライバシー保護とのバランスを考慮する必要があると指摘している。Facebookの投稿は多くの心理学者から貴重な調査データとなる「宝の山」として注目されており、Facebook自身も2014年にニュースフィードで心理実験をしたことが発覚し、謝罪を余儀なくされた(関連記事:Facebookの感情伝染実験に非難の声、研究者が謝罪)。

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