図●脳科学を金融商品の提案に活用するイメージ
図●脳科学を金融商品の提案に活用するイメージ
(出所:NTTデータ)
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 みずほ銀行、NTTデータ、NTTデータ経営研究所の3社は2016年6月14日、脳科学を金融サービスに活用するための研究を拡大し、脳科学を用いて分類したユーザーの投資行動のタイプに合わせて金融商品を提案できるようにすると発表した()。みずほ銀行は研究成果を踏まえ、個々のユーザーに適した金融商品や金融サービスを紹介する取り組みを強化する予定。

 共同研究は2015年7月に開始し、2016年9月には約6500人のWebモニターの協力を得て実証実験を実施している。実験では、脳科学を活用したアンケート調査によって金融投資への潜在意識を調査し、ユーザーの投資意識を「倹約家」や「勉強熱心」などの7タイプに分類した。この上で、投資意識のタイプによって金融商品のWeb広告をクリックする率が異なることを実証した。

 この実証実験では、みずほ銀行とは異なる外部のWebサイトにログインさせた状態で、このWebサイトにみずほ銀行のWeb広告を表示した。個々のログインユーザーがどのタイプに属しているのかは事前のアンケートで分かっており、どのWeb広告をクリックしたのかもトレースできる。これにより、投資タイプと金融商品への関心の相関を測った。

 今回、共同研究の対象をWeb広告以外にも広げることを発表した。具体的に何を調べるのかはこれから検討するが、投資意識のタイプに応じてアドバイスの内容を切り替えられるようにするとしている。

 投資意識のタイプを分類するために実施したアンケート調査の例は以下の通り。時間に関するアンケートでは、「明日手に入る100万円と、10年後に手に入る1000万円のどちらを選ぶか」などがある。リスクに関するアンケートでは、「30%の確率で元本割れし70%の確率で儲かる投資をするか」などがある。