ITホールディングスグループのクオリカは2016年6月14日、IoT(インターネット・オブ・シングズ)を活用して産業機械を遠隔監視・予防保全するシステム製品「CareQube+」(ケアキューブ・プラス)の販売を開始した。旧製品「CareQube」を作り変えた製品であり、新たに保守・保全業務など任意の外部アプリケーションと容易に連携できるようにした。価格は、システム構築費が500万円程度から。
監視対象の産業機械に情報収集用のIoT端末を装着して稼働データを収集し、携帯通信網を用いて専用サーバーにアップロードして、遠隔にて稼働状況を監視できるようにするシステム製品である。構成要素として、IoT端末、通信回線、監視アプリケーションなどをワンストップで提供する(図)。
CareQube+では新たに、開発実行基盤としてNTTデータイントラマートの「intra-Mart Accel Platform」を採用した。これにより、産業機械の稼働データを保守・保全業務アプリケーションに取り込むなど、intra-Mart Accel Platform上で動作する他のアプリケーションと容易に連携できるようになった。
旧製品のCareQubeもJavaアプリケーションだったが、他のアプリケーションにデータを引き渡すための機能が少なく、データをいったんCSV(カンマ区切り形式)ファイルに保存するといった方法をとっていたという。
CareQube+の機能は表の通り。
機能名 | 概要 |
---|---|
ダッシュボード | 重点的に監視したい情報だけをトップ画面に表示する |
機器稼働モニター | 機械の最新状態と障害発生時点の状態を把握して、原因を調査する |
イベント発生状況 | 機械に発生したイベントや対応状況を管理して、イベントの発生傾向を把握する |
地図表示 | 地図上に機械のマーカーを配置し、稼働場所と稼働状況を表示する |
アラート通知 | 機械に障害が発生した際に、関係者に通知する |
部品消耗状態 | 機械の部品の消耗状態を管理して、最適なタイミングでの交換を促す |
データ出力 | 稼働データを出力し、特徴的な機械を抽出することなどに利用する |
統計データ表示 | 稼働実績(日報/月報/年報)から稼動状態の傾向を把握する |
しきい値管理 | 状態値にしきい値を設定し、障害が発生する前に通知する |
保守業務ワークフロー | 保守メンテナンスの発生から完了までの業務フローを管理する |
部品交換リスト | 顧客別/機械別に交換部品をリストアップして業務を効率化する |
車両盗難抑止機能 | あらかじめ地図上で設定しておいた範囲を出た場所で位置情報を検出した場合、アラートメールを出す |
帳票出力 | 作業報告書や、日報として利用できるデータを出力する |
文書管理 | 機械マニュアルやレポートを一元管理し、まとめて参照する |
基幹システム連携 | 社内システムと連携し、データ活用を促進する |