富士通は2016年6月13日、クオールが経営する調剤薬局「QOLサポートクオール薬局京王八王子店」に向けて、患者の健康情報を管理するクラウド型のシステム基盤「健康情報管理基盤」()を構築したと発表した。6月17日に稼働を開始する。同基盤によって、以前よりも詳細な服薬指導や健康サポートが可能になるという。

図●QOLサポートクオール薬局京王八王子店のシステムイメージ
図●QOLサポートクオール薬局京王八王子店のシステムイメージ
(出所:富士通)
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 クオールではこれまで、既存のITシステムを用いて、患者の服薬情報を管理してきた。今回新たに、患者の健康情報を管理するためのシステムをクラウド上に構築した。さらに、既存システムで管理している服薬情報をクラウドに吸い上げ、健康情報と合わせて管理できるようにした。

 服薬情報と健康情報を組み合わせることによって、薬と健康の情報を結び付けることができ、薬物治療の状態などを複合的に把握できるようになった。これにより薬剤師は、適切な服薬指導だけでなく、生活指導や必要に応じた受診を勧めることなどが可能になった。

 新たに管理するようになった健康情報とは、体重、血圧、体組成、簡易血液検査、骨密度、口腔内細菌数などである。いずれも店舗でチェックできる。これらの健康情報を店舗からクラウドに吸い上げて管理する。

 背景には、現在の薬局に対して、ITを活用して服薬履歴や健康情報を一元的に把握することや、薬剤師の専門性を活かして服薬指導することなどが求められているという状況がある。

 2015年10月に厚生労働省が策定した「患者のための薬局ビジョン」では、2025年までにすべての薬局がかかりつけ薬局の機能を持つことを目指している。また、かかりつけ薬局の機能強化に加え、地域住民の健康の維持・増進を積極的に支援する健康サポート機能の強化や充実を掲げている。