IoT(Internet of Things)を推進する団体の一つであるOpenFogコンソーシアムは2016年6月10日、NTTコミュニケーションズ(NTTコム)が同団体に加入したと発表した。参加する日本企業は東芝(加入時期は2016年3月)、さくらインターネット(同2016年4月)、富士通(同2016年4月)に続いて4社目。

写真1●NTTコム技術開発部担当部長の野村研仁氏
写真1●NTTコム技術開発部担当部長の野村研仁氏
[画像のクリックで拡大表示]

 NTTコム技術開発部担当部長の野村研仁氏(写真1)は、「IoTの推進にはエコシステムが欠かせない。コンソーシアムへの加入で、各社と協力してIoTの普及に取り組みたい」と話した。NTTコムは2015年8月にIoT推進部門を設立している。野村氏は「センサーや、ビッグデータの分析など、当社だけでは提供できない分野で協業を進めたい」ともする。

 2015年11月に、米シスコシステムズや英ARM、米デル、米インテル、米マイクロソフト、米プリンストン大学が設立。フォグコンピューティングに関する定義や技術の標準化や、IEEE(米電気電子学会)やIndustrial Internet Consortium(IIC)といったほかのIoTに関する標準化団体との連携などを行っている。

 1年に3回の会議を開催し、技術やマーケティング、地域ごとの課題などについて話し合う。全体では2016年5月時点で7カ国に27のメンバーがいる。

 フォグコンピューティングとは、IoTでは大量のデータが発生することから、全てをデータ処理のためのクラウドサービスに送信せずにセンサーなどのデバイスに近い位置で処理してからクラウドに送信する考え方。ゲートウェイなどの通信装置で、データの集約などの前処理をすることを想定している。米シスコシステムズが提唱した。