経済産業省は2016年6月10日、「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」を発表した。2016年時点で、IT人材は約17万1000人不足しており、2030年には最大78万9000人が不足するという()。2015年中に実施したWebアンケートや郵送による調査を基に、IT人材の需給動向や対策などを調査報告書としてとりまとめた。

図●IT人材の需給に関する推計結果の概要
図●IT人材の需給に関する推計結果の概要
(出所:経済産業省)
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 調査では、IT人材をIT企業とユーザー企業の情報システム部門に所属する人材と定義。2016年時点で約91万9000人となっている。

 2020年にかけてIT投資は伸長し、IT人材の需要は拡大する。一方、国内全体の産業人口が減少すると予測されることから、人材不足も広がる。2019年をピークにIT関連産業の人口は減少に向かい、高齢化が進むと指摘する。

 2020年にはIT人材の不足数は最大36万9000人。2030年には最大78万9000人が不足するとの推計結果も明らかにしている。

 情報セキュリティ人材は2016年時点で約28万1000人で、不足数は約13万2000人。2020年には人材数が37万1000人、不足数は約19万3000人まで拡大する。

 調査では、ビッグデータやIoT、人工知能(AI)などを活用する「先端IT人材」の不足数も推計。2016年時点で1万5000人が不足しており、2020年には4万8000人が不足するとした。

 また、日本のIT人材の年収分布が500万円前後に集中しているのに対して、米国のIT人材の年収は1000万~2000万円に分布しているという。