米Amazon.comがインド事業に30億ドル(約3200億円)の追加投資を計画していると、海外のメディアや通信社(米Wall Street Journal英Reutersなど)が現地時間2016年6月7日までに伝えた。

 訪米中のNarendra Modiインド首相が出席したワシントンのイベントで、Amazon.comのJeff Bezos最高経営責任者(CEO)が明らかにした。Reutersによると、Amazon.comは年内にインドで「Web Services Cloud Region」を開設するほか、中南部の都市、ハイデラバードにソフトウエア・エンジニアリング開発センターを設置する計画を明らかにした。

 Amazon.comは2014年にインドの電子商取引事業拡大を目的とした20億ドルの投資を発表しており、これで同社のインド事業への投資総額は50億ドル以上になる(関連記事:Amazon.com、インドのeコマース事業拡大で20億ドルを追加投資)。ただしWall Street Journalによると、Amazon.comは今回、その投資対象と期間の詳細について明らかにしていない。

 インドでは小売業に対する外資規制があるため、Amazon.comは同国で出店者と消費者を仲介するマーケットプレイス事業を行うとともに、同社が商品の保管と配送などを代行する「Fulfillment by Amazon(FBA)」事業を展開している。一方で同社はFlipkart InternetやSnapdeal.comといったライバルとの激しい競争に直面しているとWall Street Journalは伝えている。

 同紙が引用したMorgan Stanleyの推計によると、インドの消費者が昨年1年間オンラン販売に費やした金額は160億ドルで、一昨年の63億ドルから急増した。だがその市場は依然小さいという。今回のAmazon.comの投資額は同国電子商取引市場の規模と比較し、極めて大きいとWall Street Journalは伝えている。