福田 譲 代表取締役社長
福田 譲 代表取締役社長
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 SAPジャパンは2016年6月8日、インメモリーデータベース(DB)のPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)「HANA Cloud Platform(HCP)」を国内データセンター(DC)からも提供すると発表した。国境をまたいで機密情報を活用する、いわゆる「越境データ」を気にして導入をためらう企業の需要を見込んでいる。東京DCが2016年11月から、大阪DCは2017年3月までに提供を開始する。

 HCPはメモリー内でデータを処理する設計で、大量データの高速処理を想定したDBのPaaSだ。同社のERP(統合基幹業務システム)製品「Business Suite 4 SAP HANA(S/4HANA)」は動作基盤にHANAのみを採用し、他社製DBを利用できない。

 SAPジャパンはこれまで、オーストラリアやドイツのDCからHCPを提供していた。同社によると、特に個人情報の越境データを気にして海外DCの利用を制限している企業が少なくない。遅延時間を理由にHCP導入を見送る企業もあったという。HCPで国内DCを指定するのに別途料金はかからない。

 福田 譲 代表取締役社長は「国内クラウド事業の売上高は予想以上のペースで成長している」と話した。同社のクラウド事業の売上高は前年比で約3倍に成長した。福田社長はHANAの新規導入を「20%はクラウド上と推測している」と話した。