米Yahoo!のインターネット事業売却の2次入札に米Verizon Communicationsが応札する計画との米Wall Street Journal(閲覧には有料登録が必要)の報道を複数の海外メディア(TechCrunchUSA TODAYなど)が伝えている。

 Wall Street Journalは、2次入札の締め切りである現地時間2016年6月6日にVerizonが30億ドルを提示する意向だとする情報を、関係者から入手した。プライベートエクイティファンドの米TPGも入札すると見られる。

 Yahoo!は少なくともあと1回入札を行う見通しで、最終入札までに買収提示額が変わる可能性がある。

 VerizonとTPGは4月18日締め切りの1次入札でも買収案を提出したとされるが、他の1次入札者が今回も入札するかは不明だ。現在のところ、Verizonが最有力と見られている。

 4月の時点では、Yahoo!のインターネット事業は40億~80億ドルの範囲と考えられていたが、5月には2次入札の提示額予測は20億~30億ドルに低下した。Yahoo!のMarissa Mayer最高経営責任者(CEO)が先月本社で実施したプレゼンテーションでオンライン広告事業の不調ぶりが明らかになったため、一部入札者の買収熱が冷めてしまったとの報告もある。

 米CNETによれば、4月時点で約40の企業や組織が買収に関心を示していたが、その数は減少している。

 Yahoo!は不動産や特許といった資産の売却も検討しているが、Verizonはこうした非中核資産に興味がないことを示唆している。

 Verizonは2015年に約44億ドルで米AOLを買収しており(関連記事:VerizonがAOLを約44億ドルで買収へ、ビデオや広告に注力)、Yahoo!とAOLを統合してモバイルビデオおよびオンライン広告の戦略推進を図りたい考えと見られている。