写真1●発表会の登壇者
写真1●発表会の登壇者
左から、聖徳学園中学・高等学校の伊藤正徳校長、トークノートの小池温男代表取締役、早稲田大学 教育・総合科学学術院教職研究科の武沢護客員教授、聖徳学園中学・高等学校の横濱友一情報システムセンター長
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写真2●研修旅行でもTalknoteを活用。訪れた場所を報告する、訪問先が休館していたといった情報を他のグループに知らせるなど活発なやり取りがなされた
写真2●研修旅行でもTalknoteを活用。訪れた場所を報告する、訪問先が休館していたといった情報を他のグループに知らせるなど活発なやり取りがなされた
左から、聖徳学園中学・高等学校の伊藤正徳校長、トークノートの小池温男代表取締役、早稲田大学 教育・総合科学学術院教職研究科の武沢護客員教授、聖徳学園中学・高等学校の横濱友一情報システムセンター長
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写真3●Talknoteの活用範囲
写真3●Talknoteの活用範囲
左から、聖徳学園中学・高等学校の伊藤正徳校長、トークノートの小池温男代表取締役、早稲田大学 教育・総合科学学術院教職研究科の武沢護客員教授、聖徳学園中学・高等学校の横濱友一情報システムセンター長
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 トークノートは2016年6月7日、企業向けコミュニケーションツール「Talknote」を聖徳学園中学・高等学校が導入したと発表した(写真1)。教員間や教員と生徒、生徒同士のやり取りにTalknoteを利用する。早稲田大学と連携し、Talknoteを使った遠隔授業も実施する。

 聖徳学園中学・高等学校は、東京都武蔵野市の私立学校。全学級への電子黒板の設置や一部学年への一人1台の「iPad」導入など、ICT(情報通信技術)の活用を進めている。中学1年生向けに「ICT授業」と呼ぶ独自教科も設け、情報リテラシー教育などにも力を入れる。今回、ICTを使ったコミュニケーション能力の育成を目的に、Talknoteの導入を決めた。教員から生徒への連絡事項の伝達のほか、生徒同士のアイデアの共有など授業内でも利用する(写真2)。将来は、保護者とのやり取りにTalknoteを利用することも計画する(写真3)。

 「SNSは教育現場では好ましいものとして扱われないことが多いが、社会では広く使われている。子どものうちからしっかり教育すべき」(Talknoteの導入を推進する、同校の横濱友一情報システムセンター長)。日常的にSNSに触れる場を学校で用意することで、適切に使いこなせる力を育てる。

 SNSには教育機関向けのサービスもあるが、「ビジネス向けに開発されたツールを若いうちから使うことは、将来の役に立つ」(同校の伊藤正徳校長)と判断してTalknoteを採用。教育現場への導入に必要なカスタマイズへの対応の柔軟さや、未読/既読を確認できる機能があったことなども評価した。

 同校はTalknoteを学校外とのやり取りにも活用する。既に、早稲田大学大学院教職研究科と連携。同研究科の学生にTalknoteを使って質問し、得られた回答から感じたことをまとめて発表するといった授業を実施している。大学院生とのやり取りを通じて、多様な価値観に触れさせるのが目的だ。教職研究科で学ぶ教員志望の学生にとっても、意義があるという。同研究科の武沢護客員教授は、「日本のICT教育を進めるうえで、教員養成は重要。こうした取り組みが教員養成にとっても有効であることを検証したい」と話した。