中国のインターネットサービス大手のテンセントホールディングス(HD)は2016年6月6日、同社のスマートフォン決済サービス「WeChat Pay(旧WeChat Payment)」の日本戦略を発表した。チャットアプリとの連携を前面に押し出し、店舗の決済とネットサービスを組み合わせて顧客を囲い込む「O2O」の手段として日本企業に売り込む。

テンセントホールティングスの江氏
テンセントホールティングスの江氏
[画像のクリックで拡大表示]

 「WeChat Payは単なる決済方式の枠を超えて、今や中国人のライフスタイルの一部になっている。訪日中国人に日本のサービスを体験してもらうために役立つだろう」。テンセントHDの江浩然 執行役員 兼 経営戦略本部長は、日本企業の訪日中国人向け事業におけるWeChat Payの意義をこう述べた。

WeChat Payの決済画面例
WeChat Payの決済画面例
[画像のクリックで拡大表示]

 WeChat Payは同社が運営するチャットアプリ「WeChat(微信)」内で提供する決済サービスだ。利用者のスマホ画面に表示したQRコードを店舗の端末で読み取る、店舗側の情報端末に表示したいQRコードを利用者のスマホで読み取るといった方式で決済する。店舗での料金支払いだけでなく、利用者同士でお金を送り合う「個人間送金」も可能だ。2013年8月に提供を始め、登録利用者は3億人を超える。