図1●装置本体を離して設置できるので、小型・薄型のアンテナ部だけを現場に設置できる
図1●装置本体を離して設置できるので、小型・薄型のアンテナ部だけを現場に設置できる
(出所:NEC)
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図2●アンテナ部に手を加えることなく、遠く離れた本体装置側でソフトウエアを更新することによって周波数や無線通信方式を変更できる
図2●アンテナ部に手を加えることなく、遠く離れた本体装置側でソフトウエアを更新することによって周波数や無線通信方式を変更できる
(出所:NEC)
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 NECは2016年6月6日、地下街や工場などの無線がつながりにくい場所に携帯電話の基地局や無線LANアクセスポイントを設置する用途に向け、これらの装置本体とアンテナ部を分離してアンテナ部だけを現場に設置できる技術を開発したと発表した。

 アンテナ部だけを現場に配置し、最大で数キロメートル離れた装置本体から光ファイバーでデジタル信号を伝送する仕組み。このために必要な技術として、無線アナログ信号を直接デジタル信号に変換する位相同期型デジタル技術を、アンテナ部と装置本体に適用した。

 新技術の効果は二つある。一つは、アンテナ部だけを設置すればよいため、現場に設置する部材を小型化できること(図1)。カードサイズに小型化・薄型化したとしている。

 もう一つは、設置済みのアンテナ部に手を加えることなく、装置本体側の設定変更やソフトウエア更新だけで、周波数や無線通信方式(LTEや無線LANなど)を変更できること(図2)。

 NECは、今回開発した技術を用いて2.14GHz帯のLTEを用いた伝送実験を行い、18キロメートルの光ファイバーでも信号が劣化することなく伝送できることを実証したとしている。