米Google傘下でスマートホーム事業を手掛ける米Nest Labsは現地時間2016年6月3日、Tony Fadell最高経営責任者(CEO)の辞任を発表した。同氏はGoogleの親会社である米Alphabetおよび同社のLarry Page CEOのアドバイザーとなる。

 Fadell氏はNest Labsの公式ブログで、「Nestを離れる(leave the Nest)べきときだと判断した」と述べている。leave the nestには“巣立つ”という意味がある。この動きは昨年の終わり頃から進められていたという。

 Nest Labsは2014年に約32億ドルでGoogleに買収された(関連記事:Google、元Apple幹部が創業したNest Labsを32億ドルで買収へ)。米AppleでiPod事業の上級バイスプレジデントを務めたFadell氏と、iPodソフトウエア開発を担当していたMatt Rogers氏が2010年5月に創業。代表製品には、2011年10月にリリースした学習型サーモスタット「Nest Learning Thermostat」などがある。

 Nest Labsの新たなCEOには、Marwan Fawaz氏が就任する。Fawaz氏は、Googleが2014年に中国Lenovo Group(聯想集団)に売却した米Motorola Mobilityの幹部を務めていた(米Forbesの情報)。

 Fadell氏は「Nest Labsは今後もさらに発展を続ける。向こう2年間の製品ロードマップと経験豊かな優れたリーダーシップにより、Nest Labsの未来は明るい」と述べた。

 同氏はNest Labsの成長を強調したが、期待ほどの成果をあげられていないとの批判もある。Google傘下となった直後に買収した家庭用監視カメラの米Dropcamの事業統合が難航するなど、Fadell氏の指導力を疑問視する声も伝えられていた(米New York Timesなど)。

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