日立製作所は、賛否が分かれる議題に対し、大量の日本語ニュース記事などを解析して賛成・反対の根拠を抽出し、日本語で意見を生成できる人工知能(AI)の基礎技術を開発した。

 これまで同社は、英語ニュース記事の解析に対応したディベートAIを開発していた(関連記事:日立製作所、大量のニュース記事から賛否の根拠を抽出できるAI技術を開発)。このAIでは、英語特有の文法をプログラミングすることで、意見の根拠や理由となる文章を抽出していたため、英語以外の言語への応用が難しかった。

 同社は、記事解析の一部にディープラーニング(深層学習:多層ニューラルネットワークによる機械学習)を導入することで、日本語を含む多言語に対応できる技術を開発した。具体的には、数千の記事から、意見の根拠や理由を表す文を抽出し、ニューラルネットに入力することで、記事から根拠文・理由文を抽出する方法をニューラルネットに学習させたという。

 日立製作所は今回の技術を、2016年6月6日~9日に北九州市で開催される人工知能学会全国大会で発表する。