写真1●ココカラファイン 上席執行役員 経営戦略本部 企業品質部長 兼 IT開発チームマネジャーの尾池泰之氏
写真1●ココカラファイン 上席執行役員 経営戦略本部 企業品質部長 兼 IT開発チームマネジャーの尾池泰之氏
(撮影:菊池くらげ)
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写真2●経営戦略本部 企業品質部 IT開発チーム 新店舗システムプロジェクトリーダーの黒木克明氏
写真2●経営戦略本部 企業品質部 IT開発チーム 新店舗システムプロジェクトリーダーの黒木克明氏
(撮影:菊池くらげ)
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 ドラッグストア大手のココカラファインは2016年6月1日、全国に構える約1300店舗の店舗システムをAmazon Web Services(AWS)上で刷新した。アマゾン ウェブ サービス ジャパンのイベント「AWS Summit Tokyo 2016」の、2016年6月2日の講演で明らかにした。

 ココカラファインは2013年4月、セイジョーやセガミメディクスなど、6つの販売子会社を統合した。ココカラファイン 上席執行役員 経営戦略本部 企業品質部長 兼 IT開発チームマネジャーの尾池泰之氏は、「各販社の店舗システムを付け焼き刃で統合したため、現場で混乱が発生していた」と打ち明ける(写真1)。

 複数あるシステムごとに利用する機器や場所が異なっているのも問題だった。例えば発注作業は店頭のハンディ型端末で実施し、在庫管理はバックヤードにあるPCで作業していた。「店員には顧客対応に専念してほしいが、システムを使うために移動する必要があり無駄が多かった」と尾池氏は話す。

 現場作業を効率化するため、同社経営陣は2015年10月、散らばった複数のシステムを集約し、単一の端末で作業できる店舗プラットフォームの構築を決定した。「1年弱で開発する必要があったことと、今後どれくらいデータ量が増えるか未知数だった」(尾池氏)ことから、AWS上で店舗システムを刷新することを決めた。

 構築作業はアクセンチュアが手掛けた。同社経営戦略本部 企業品質部 IT開発チーム 新店舗システムプロジェクトリーダーの黒木克明氏によると、「AWSの仮想マシンサービスであるEC2を中心にしつつ、AWSのマネージドサービスとOSS(オープンソースソフトウエア)を積極的に活用した」という(写真2)。

 AWSのマネージドサービスでは、RDB(リレーショナルデータベース)の「Amazon RDS for Aurora」や、ストリーミングデータ処理の「Amazon Kinesis」、分散処理を実現する「Amazon Elastic MapReduce(EMR)」などを利用している。