米Googleのディープラーニング(深層学習)プロジェクト「Google Brain」から生まれた「Magenta」プロジェクトが現地時間2016年6月1日に活動開始を正式発表した。

 Magentaは、機械学習を用いて優れたアートや音楽を生み出せるかどうかを試すプロジェクト。機械学習システム「TensorFlow」を使用し、ツールやモデルをオープンソースとしてGitHubで公開する。

 MagentaプロジェクトのメンバーであるDouglas Eck氏によると、Magentaには2つの目的があるという。1つは機械学習を音楽や芸術創造の領域に発展させる研究。アートや音楽を作り出す方法を学習するアルゴリズムが開発できれば、コンピュータは自ら魅力的で芸術的なコンテンツを作成するようになる。

 もう1つの目的は、アーティスト、コード開発者、機械学習研究者によるコミュニティの構築をテストすること。当初は、オーディオおよびビデオ機能、MIDIなどのフォーマットに対応したツール、アーティストが機械学習モデルにアクセスするためのプラットフォームなどを提供する。

 Magentaでは、すでに研究者およびコード開発者向けにアルファ版コードを公開している。安定した一連のツールやモデルが揃ったら、より幅広く参加を呼びかけるとしている。

 米メディアの報道(The Verge)によると、Magentaプロジェクトは同日、機械学習が作り出した最初の芸術作品として、90秒間のピアノの旋律を公開している。

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