KDDI子会社のワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)は2016年6月1日、特定地域にいるインバウンド(訪日外国人)のスマートフォンへ情報を配信するサービスを始めた。利用企業は店舗や施設を指定して、同社が提供する訪日外国人向けネット接続アプリに情報を配信する。配信設定に関する機能を限定。自前の情報配信システムを用意するのが難しい中小企業や個人商店が、容易にインバウンド向けのマーケティング活動を実施できるようにした。

 新サービスの名称は「インバウンド・キャッチャー」。アクセンチュアの技術協力を得て提供する。

 新サービスはWi2が訪日外国人向けに提供している「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」と呼ぶアプリを通じて情報を配信するもの。TRAVEL JAPAN Wi-FiはWi2が運営するWi-Fiアクセスポイントを接続して、無料でインターネットを利用できるアプリだ。累計ダウンロード数は150万件超。

 新サービスの利用企業は、配信したい地域や期間、時間帯、言語と国籍を自身で指定する。同アプリの利用状況を基に、対象地域にいる訪日外国人だけに情報を配信できる。

 Wi2はTRAVEL JAPAN Wi-Fiを通じたサービスとして、訪日外国人の位置や動態を分析するサービス「インバウンド・レーダー」を提供済み。これと新サービスを合わせて使うことで、訪日外国人の大まかな居場所に狙いを定め、効果的に情報を配信できるという。

 配信する情報として想定するのは、商品の割引クーポンや観光情報、商業施設のイベント情報など。自店舗の周辺にいる訪日外国人を呼び込んだり、これまでは周遊ルートから外れていた地域に訪日外国人を導いたり、といった用途を見込む。料金は月額基本料金が2480円、配信する情報を受け取った利用者1人につき10円。