写真●安川電機・技術開発本部技術企画部部長の下池 正一郎氏
写真●安川電機・技術開発本部技術企画部部長の下池 正一郎氏
撮影:諸石 信
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 ICTの最新トレンドにフォーカスする総合展「ITpro EXPO 2016 in 九州」(主催:日経BP社)が2015年6月1日午前10時、福岡国際会議場(福岡市博多区)で開幕した。オープニングのキーノートスピーチには、安川電機 技術開発本部技術企画部部長の下池 正一郎氏が登壇。「安川電機のIndustrie4.0」と題して、同社のインダストリー4.0への取り組みについてした(写真)。

 福岡県北九州市に本社を構える安川電機は創業101年目の老舗。現在の主力事業は、モーターや産業用ロボットの生産である。安川版インダストリー4.0では、ICTを駆使して顧客の仕様に応じた製品をBTO(Build To Order)で生産することを目指す。「リードタイムの短縮とともに在庫を減らす」と下池氏は語る。さらに「オープンイノベーションの考え方を取り入れて、積極的に外部の力を借りる」と続ける。すでに小容量モーターで実証ラインを設置したと言う。

 産業用ロボットに関しては、ロボットが作業に応じたスキルをクラウドから取り入れ、人と共存した作業が可能になるとみる。「人工知能の概念を取り入れ、動作のパラメーターを自律学習できるようにする」と下池氏は語った。

 さらに下池氏は産業用ロボットに関する2つのクラウドサービスについて解説した。産業用ロボットの保守メンテナンスサービスのクラウドサービスである「MOTOMAN-Cloud」に関しては、動画も交えて紹介。障害発生時に表示されるQRコードをスマートフォンで読み取るだけで、障害の原因や回復方法をプッシュで通知してくれる様子を示した。

 「一極集中にならず、WinーWinの関係を築き、健全な競争環境を築きたい」。安川電機のインダストリー4.0に関する考え方を紹介して、下池氏は講演を締めくくった。