アイルランドのPageFairが現地時間2016年5月30日に公表したスマートフォン利用者の広告遮断に関する実態調査によると、Webのコンテンツを広告を遮断して閲覧しているスマートフォンユーザーの数は全世界で約4億1900万人に上り、世界のスマートフォン利用者数の22%を占めるという。

 このうちデフォルトで広告を遮断するWebブラウザー使っている人の数は4億800万人で、1年前に比べ2倍に増えた。国別に見ると、中国が1億5900万人で最も多く、これにインドの1億2200万人が次いだ。このあとはインドネシア(3800万人)、パキスタン(1000万人)、ロシア(470万人)、サウジアラビア(390万人)、ブラジル(290万人)、マレーシア(230万人)、米国(230万人)と続いた。なお、同社がまとめたこれら広告遮断Webブラウザーの利用者数が多い17カ国の中には日本は入っていない。

 同社によると、広告遮断ブラウザーの世界利用者数は、前年に比べほぼ2倍に増加した。とりわけアジア太平洋地域は、その利用者数の世界に占める比率が93%となっており、圧倒的に多いという。この地域では36%のスマートフォンユーザーが広告遮断ブラウザーを利用している。これに対し、北米と欧州を合わせたこれらブラウザーの利用者数は1400万人にとどまっている。

 米The Vergeの記事はこの調査結果について、「(広告遮断ブラウザーは)過激な広告を見ないという選択肢が与えられるべきだとする主張がある一方、広告ベースのビジネスモデルを脅かす存在だと危惧する声もある」と伝えている。

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