動画制作支援のViibar(ビーバー)は2016年5月30日、ヤフーが保有するビッグデータを使った動画制作サービスを始めると発表した。ヤフーのデータ分析結果を基に、想定閲覧者が興味を持ちそうな動画を作る。想定閲覧者がよく利用するソーシャルメディアに合わせた動画配信や、閲覧効果の検証も担う。月間660億ページビュー(PV)と日本有数の規模であるヤフーのビッグデータを使い、企業の動画マーケティングを支援する。

 Viibarは動画制作に特化したクラウドソーシングを手掛ける。同社は技能水準などを認定した3000人の映像クリエーターを組織している。顧客企業から動画制作案件を受け付けると、登録クリエーターに制作を依頼し作り手を募る。企業は集まったクリエーターの作品や作風、制作コストなどを比較して、気に入ったクリエーターを選ぶ。

データ活用、ウケる動画を「狙って」作る

 新たに始めたサービスは、まずヤフーが顧客企業の案件について、想定閲覧者の行動や属性などを自社のビッグデータを使って分析する。Viibarは分析結果を基にした動画の企画を、登録クリエーターから募集。顧客企業とともに、最も内容に合致したクリエーターを選んで動作制作を依頼する。

 Viibarはヤフーのビッグデータを活用することで、想定閲覧者に最適な動画の構成や作風を作れると期待する。同社は昨年、過去の動画制作実績を基に、ネット上で共有されたり話題になったりしやすい動画を作る方法論を開発。「データを活用してマーケティング効果の高い動画を作る体制を築いた」(上坂優太社長)。

 同方法論に基づき、都市再生機構(UR)と共同制作した動画広告は、平均完全視聴率23%を記録した。一般的な完全視聴率は12%程度だという。