米Appleは開発中の音声アシスタント機器にカメラを搭載することを検討していると、複数の海外メディアが現地時間2016年5月27日までに米CNETの記事を引用して伝えた。

 事情に詳しい関係者の話によると、Appleが音声アシスタント機器にカメラを搭載する目的は、顔認証技術の導入という。これにより室内に誰がいるかを機器が認識し、音楽のジャンルや照明の明るさなど、その人の好みに合わせてアシスタント機能を提供するという。このハードウエア製品は早ければ年内に発売される可能性があるが、より有力な発売時期は2017年だとCNETは伝えている。ただし、Appleは計画を変更する場合もあり、音声アシスタント機器そのものの計画を中止する可能性もあるという。

 Appleが音声アシスタント機器を開発しているという観測については、先ごろThe Informationなどの米メディアが伝えていた。Appleの機器もAmazon.comの「Echo」同様に、音楽やニュースを流したりすることができるが、Appleの「HomeKit」プラットフォームに対応したり、カレンダー、連絡先、メールといったiCloudサービスを利用したりできる点が特徴と伝えられている(関連記事:Apple、「Siri」を開発者に公開へ、専用機器も開発中 米メディア報道)。

 この分野ではAmazon.comが一昨年からEchoを投入し、市場をけん引しているが、米Googleも今月開催した年次開発者会議で「Google Home」を発表した(関連記事:Google、AIアシスタント「Google Assistant」とAmazon Echo対抗端末を発表)。そうした中、これらのアシスタントサービスはさまざまな個人情報を扱うようになりつつあり、機器がユーザーを認証する機能が不可欠になってくると米Tech Insiderは伝えている。例えばAmazon.comは先ごろ、米Capital Oneと連携し、顧客が音声命令で自分の銀行口座情報を確認、管理する機能などを追加している。