北海道の地方銀行である北洋銀行とマネーフォワードは2016年5月26日、業務提携したと発表した。同社が保有するクラウド会計データを活用した融資サービスを共同で開発するほか、北洋銀の銀行API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)公開に向けた検討も進める。

 主に四つの分野で提携する。まず北洋銀の法人顧客に対して、マネーフォワードのクラウドサービス、「MFクラウドシリーズ」の紹介、提案を共同で進める。次に、同社の企業向け資金調達支援サービス「MFクラウドファイナンス」を活用した、新融資サービスの開発にも乗り出す(関連記事:マネーフォワードが資金調達支援サービス、融資申し込みをネットで完結)。個人顧客に対しては、マネーフォワードのPFM(個人資産管理)サービスを基に、北洋銀独自の機能を盛り込んだ新サービスの提供を目指す。

 両社は、銀行APIの公開に向けた検討にも取り組む。国内の事例では、インターネットバンキング(IB)の機能を提供するのが一般的。ただし北洋銀によると、両社はIBに限らず、勘定系システムや情報系システムのデータウエアハウス(DWH)にAPI連携機能を搭載することも視野に、最適な選択肢を探る方針だという。API連携によって生み出す新サービスのターゲット顧客やサービス内容によって、APIを公開すべきシステムが異なるからだ。

 北洋銀は、預金残高7兆8134億円(2016年3月末時点)の地銀大手。日本IBM製の勘定系システム、情報系システムを単独で運用しており、インターネットバンキングは、日立製作所の共同利用サービスを使う。2016年4月1日には「フィンテック推進室」を設置している。