米Menlo Securityは2016年5月26日(米国時間)、同社が開発したWebサイトを「無害化」するサービス「Menlo Security Isolation Platform」を富士通が販売することになったと発表した。Webサイトのコンテンツに含まれるスクリプトなどを除去することで、ウイルス感染などを防ぐ。
Menlo Security Isolation Platformは、ユーザーがアクセスしたWebサイトのコンテンツを、クラウド上の仮想環境(コンテナ)上で一度レンダリング(描画)し、スクリプトなどによる描画内容だけを新しく生成したHTMLファイルとしてユーザーのWebブラウザーに送信するという技術。Webサイトの見た目は変わらないが、スクリプトなどが除去されているため、ユーザーがWebサイトを通じてマルウエアなどをダウンロードするリスクを軽減できるとしている。
FlashファイルやWordファイル、PDFファイルなども仮想環境上で一度レンダリングし、単純なHTMLファイルとしてユーザーのWebブラウザーに送信する。これら文書ファイルを通じたウイルスの感染なども防止できるとしている。
Menlo SecurityのGreg Maudsleyシニアディレクター(写真)は「ユーザーのデバイスにクライアントソフトをインストールする必要が無いため、利便性が高い」と説明する。Webブラウザーの「Proxy」設定を変更し、Menlo Security Isolation Platformの仮想環境を経由するようにするだけで、Webサイトの無害化を利用できるためだ。Webブラウザーが利用できる端末であれば、OSを問わずにサービスを利用できる。
富士通は2016年7~9月の間に「グローバルマネージドセキュリティサービス」の中で、Menlo Securityのサービスの提供を開始する。Webサイトのコンテンツをレンダリングする仮想環境を、富士通のクラウドサービス「MetaArc」上で稼働する。
Menlo Securityよりプレスリリース訂正の申し入れがあり、当初「2016年6月」としていた富士通によるサービス開始時期を「2016年7月~9月」に修正しました。本文は修正済みです。 [2016/05/31 12:00]