写真●左からFC今治の高司裕也 オプティマイゼーション事業本部長、SAPジャパンの馬場渉バイスプレジデントChief Innovation Officer、SVホルン神田康範CEO(最高経営責任者)兼副会長
写真●左からFC今治の高司裕也 オプティマイゼーション事業本部長、SAPジャパンの馬場渉バイスプレジデントChief Innovation Officer、SVホルン神田康範CEO(最高経営責任者)兼副会長
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 SAPジャパンは2016年5月26日、サッカー選手の本田圭佑氏のマネジメント会社HONDA ESTILOが経営するオーストリア3部のサッカーチーム「SVホルン」が開催する「SAP NO LIMITS PROJECT presents SV HORN CUP」に協力すると発表した。「IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)など最新の技術を活用したアプリケーションを提供し、スポーツの産業界を支援したい」とSAPジャパンの馬場渉バイスプレジデントChief Innovation Officerは強調する(写真)。

 SAPジャパンは今回、選手・コーチ向け、ファン向け、スタジアム向けの三つの分野でアプリケーションを提供する。選手・コーチ向けでは、試合シーンを録画し、後から動画を検索するなどの方法で科学的にプレーを検証する機能などを提供するアプリケーション「SAP Sports One」を利用する。SAP Sports Oneは、「独代表チームと共同で開発したアプリケーション」(馬場バイスプレジデント)だ。

 ファン向け、スタジアム向けに提供する機能は「表裏一体になる」(馬場バイスプレジデント)という。「ファン向けは当日のサプライズがあるので、詳しくは言えないが、ファンが当日だけでなく試合前も楽しめる機能を提供する」(同)。スタジアム向けでは、リアルタイムに来場者の動向を分析し、来場したファンを空いている駐車場やゲートに誘導する機能や、混雑状況を踏まえて運営を支援するボランティアを最適に配置する機能などを提供する予定だ。

 SV HORN CUPは2016年7月6日、オーストリアのホルン近郊にあるKrems Stadiumで開催する。参加チームはSVホルンに加えて、元日本代表監督の岡田武史氏がオーナーを務める「FC今治」が決定している。このほか「動員が見込める欧州のチームをもう1~2チーム探している」とSVホルン神田康範CEO(最高経営責任者)兼副会長は説明する。大会はチャリティマッチとなり、収益は熊本地震の復興支援や、地元の児童擁護施設などに寄付する。

 SAPジャパンは2015年からFC今治のビジネスパートナーを努めている。2016年4月にはHONDA ESTILOと協力し、SAPの製品を利用したチーム強化などを推進すると発表した(関連記事: サッカーの本田圭佑選手、SAPのインメモリーDB「HANA」でデータ分析プロジェクト)。今回のチャリティマッチは、SVホルンとFC今治の両者がSAPジャパンと関係していたことが開催のきっかけとなった。