2016年5月26日から27日まで開催されている「伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)」で設けられた政府広報展示スペースでは、医療・保健関連のロボットが多数展示され、国外の報道陣の関心を集めていた。

 政府広報展示スペースでは、国際社会が直面する様々な課題に役立つ日本の技術をテーマとした展示を実施している(関連記事:ロボットや次世代自動車など先端技術をアピール)。具体的には「インフラ・交通」「環境・エネルギー」「医療・保健」「復興・防災」「宇宙・深海」「伝統工芸」といった分類で、関連する日本の技術や製品などを紹介している。医療・保健ではロボットの展示がずらりと並んだ。

 産業技術総合研究所の技術移転ベンチャーであるロボティック・バイオロジー・インスティテュートが展示したのは、汎用ヒト型ロボットの「まほろ」だ(写真1)。製薬試験など、従来は手作業でしかできなかった実験を自動化する。「人間と比べて作業が早く精度のばらつきがないため、開発期間を短縮できる」(説明員)という。国内の大学など約10カ所で導入済みだ。

写真1●ロボティック・バイオロジー・インスティテュートの汎用ヒト型ロボット「まほろ」
写真1●ロボティック・バイオロジー・インスティテュートの汎用ヒト型ロボット「まほろ」
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 トヨタ自動車は開発中の生活支援ロボットを展示した(写真2)。上下伸縮機構の折りたたみ式アームと物体の三次元形状を認識するセンサーを搭載し、物をつかんで手元に持ってくる。インターネット経由でロボットとタブレット端末をつなぐことで、離れた場所から家族が親の様子を見守ったり、ロボットを操作して生活を支援したりできる。

写真2●トヨタ自動車が開発中の生活支援ロボット
写真2●トヨタ自動車が開発中の生活支援ロボット
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