写真●米パロアルトのHPE本社
写真●米パロアルトのHPE本社
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 米Hewlett Packard Enterprise(HPE)は2016年5月24日(米国時間)、同社のエンタープライズサービス部門を分離し、米国のITサービス大手であるComputer Sciences Corporation(CSC)と合併させると発表した。HPEの既存株主には合併会社の株式の50%を割り当てる。これによってHPEはデータセンター向けのハードウエアとソフトウエアに特化したITベンダーとなる。

 HPEのエンタープライズサービス部門とCSCの合併は2017年3月末までに完了させる。新会社の名称は未定で、売上高は260億ドルになる見込み。合併は株式交換によって行い、これによってHPEの既存株主に85億ドルの価値がもたらされるとしている。内訳は新会社の株式の50%分が45億ドル、現金配当が15億ドル、負債の肩代わりが25億ドルである。

 米Hewlett Packardは2015年11月1日に、エンタープライズ事業のHPEとPC・プリンター事業の米HPとに分割した。HPEのエンタープライズサービス部門の前身は、Hewlett Packardが2008年8月に買収を完了させた米Electronic Data Systems(EDS)であり、その買収金額は139億ドルだった。クラウドコンピューティングの台頭によって、アウトソーシングを中心とするITサービスの事業価値が7年間で大きく目減りしたことがうかがえる。

 新会社の会長兼社長兼CEO(最高経営責任者)には、CSCのMike Lawrie会長兼社長兼CEOに就任する。HPEのMeg Whitman社長兼CEOは新会社の取締役に就任する。また新会社の取締役はHPEとCSCがそれぞれ半数ずつを指名する。

 HPEは同日、2016年2~4月期決算も発表している。売上高は前年同期比127億1100万ドル(前年同期比1.2%増)で、純利益は3億2000万ドル(同4.9%増)。部門別の業績はハードウエアなどのエンタープライズグループ部門の売上高が70億1000万ドル(同6.8%増)で税引き前利益が8億1700万ドル(同11.4%減)、エンタープライズサービス部門の売上高が47億2300万ドル(同1.9%減)で税引き前利益が3億1700万ドル(同84.3%増)、ソフトウエア部門の売上高が7億7400万ドル(同13.2%減)で税引き前利益が1億9200万ドル(同20.7%増)だった。