米Appleが音声アシスタントサービス「Siri」のサードパーティー開発者への公開と、同サービスを利用できる専用機器を準備していると複数の海外メディアが現地時間2016年5月24日までに、米The Informationの記事(全文閲覧には有料登録が必要)を引用して伝えた。

 SiriはAppleが「iPhone 4S」を市場投入した際に始めたサービスだが、これまで米Yelpや米Googleなど一部の外部企業にしか提供していなかった。The Informationによると、Appleは今年6月13日に開催する世界開発者会議(WWDC)までに、SDK(ソフトウエア開発キット)を用意したい考え。これによりサードパーティーのアプリ開発者は、自身のアプリにSiri経由でアクセスする仕組みを追加できるようになる。

 Appleが開発中の専用機器は、スピーカーとマイクを備えており、音楽を流したり、ニュースのヘッドラインを聞いたり、タイマーを設定したりできるという。これは米Amazon.comの「Echo」に似ているが、AppleはAmazon.comがEchoとそのアシスタントサービス「Alexa」を開始するよりも前に開発に着手していたという。この機器はAppleの「HomeKit」プラットフォームに対応しており、家庭のさまざまな機器を制御できる。さらにインターネット検索や、カレンダー、連絡先、メールといったAppleのiCloudサービスも利用できると米メディアは伝えている。

 テクノロジー企業の間では、スマートホームソリューションの開発競争が激しくなっていると米AppleInsiderは伝えている。

 Amazon.comは3月に米国で、Echoのシリーズ製品となる「Amazon Tap」と「Amazon Echo Dot」を発売した。また同社は先ごろ、UIにスピーカーやマイクだけでなく、ディスプレーも備える機器を開発していると報じられた(関連記事1関連記事2)。

 Googleは今月開催した年次開発者会議「Google I/O」で、かねて噂されていた家庭用音声アシスタント機器「Google Home」と、そのアシスタントサービス「Google Assistant」を発表している(関連記事3)。