写真1●NHK放送技術研究所の今後の研究開発のイメージ
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写真2●NHK放送技術研究所 所長の黒田徹氏
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写真3●有機ELによる大画面シート型ディスプレイ
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写真4●横から見た大画面シート型ディスプレイ
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写真5●8Kディスプレーを用いたインテグラル立体
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写真6●静止画ホログラム
写真6●静止画ホログラム
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 NHK放送技術研究所は、研究成果を公開するイベントである「技研公開2016」の一般公開(2016年5月26日~29日)に先立ち、5月24日にプレス対象見学会を開催した。今年の技研公開では、「スーパーハイビジョン」「インターネット活用技術」「スマートプロダクション」「立体テレビ」「次世代デバイス」の五つの技術を中心に、研究開発の成果として27項目を展示する。

 NHK放送技術研究所 所長の黒田徹氏は、1階の入り口から入ってすぐのスペースであるエントランスホールの展示に関して、「放送をさらに高品質・高機能なものへ発展させるために、技研がどのような未来像を描いているのかを四つのコーナーで分かりやすく伝えたいと考えた」と述べた。エントランスホールでは、スーパーハイビジョン(8K・4K)、インターネット活用技術、スマートプロダクション、立体テレビについてのコーナーを設ける。

 例えばスーパーハイビジョン関連では、超薄型・軽量の有機ELによる大画面シート型ディスプレイをエントランスホールで展示する。「元々薄い有機ELと非常に薄いガラスを組み合わせたのがポイント。これによってトータルで1mmという薄さを実現した」(説明員)という。今回は4Kモニターを4枚組み合わせて、全体で130インチの画面という体裁にしている。

 立体テレビについては、「インテグラル立体表示」と「ホログラフィー表示」という2種類の研究成果を展示する。インテグラル立体システムについては、レンズアレーを用いて自然な立体像を再現するための研究を進めているという。高品質な立体映像システムを実現するために、撮像や符号化、表示技術の開発に取り組んでいる。このほかにホログラフィー方式の立体像を広視域化するための超高密度表示デバイスの研究も進めている。会場では「8Kディスプレーを用いたインテグラル立体」や「静止画ホログラム」などを公開している。

 インターネット活用技術については、例えば視聴者の状況や意図に応じて放送・ネット同時配信・VODなどから適切な視聴方法を自動的に選択し、複雑な操作なしに番組を提示する技術として「メディア統合技術」の研究成果を会場で展示する。多様な情報を活用したコンテンツ制作技術である「スマートプロダクション」の分野では、映像の中にある文字列を検出しメタデータを自動的に付与する技術や、センサーを利用してスタジオ照明や出演者の動作に関する状況を把握してCGを映像中の適切な位置に合成する技術に関する展示などを実施する。

[「技研公開2016」の公式サイトへ]