NECは2016年5月24日、セールスフォース・ドットコムと共同で、顧客企業の営業力や顧客対応力の強化に向けた新サービスを発表した。NECのPLM(製品ライフサイクル管理)や音声認識、感情認識、テキスト含意分析といったソフトウエアと、セールスフォースが提供するクラウドサービスを組み合わせて使う。営業と製造といった部門間の情報共有やコールセンター業務の自動化を支援する。

 NECは新サービスを、顧客を結びつけてビジネスに活かす「Systems of Engagement(SoE)」向けと位置付けている。PLMソフトである「Obbligato III」を使う。設計・仕様書・部品一覧といった開発・製造関連情報を管理するソフトウエアだ。セールスフォースの営業支援(SFA)クラウドサービスと連携して、営業員と開発・製造現場で情報共有できるようになる。製品開発の効率化と営業スピードの向上により、顧客企業の営業力強化を後押しする。

 例えば、営業部門が訪問先で聞いた顧客の声をSFAに登録すると、開発部門がObbligato IIIから情報を閲覧して製品開発に反映できる。ほかにも、Obbligato IIIが管理する製造コストや扱える材料の情報を、営業部門が訪問先で確認。商談の場で納期回答や値引き交渉ができる。

 NECの提供する音声認識、感情認識、テキスト含意分析の機能は、セールスフォースがコールセンター向けに提供するソフトウエアで使えるようになる。顧客とのやり取りから情報を自動収集して業務を効率化できる。顧客がWebサイトの問い合わせフォームなどに入力したテキストも、感情や意味を解析して収集できる。収集したデータを顧客対応の改善や、製品品質向上に役立てられる。

 NECはこれら機能をハイブリッドクラウドとして提供する。NECは今回の新サービスを中心にしたSoE事業で、2018年度末までに累計100億円の売上高を目指す。