米ヴイエムウェアのパット・ゲルシンガーCEO
米ヴイエムウェアのパット・ゲルシンガーCEO
[画像のクリックで拡大表示]
ヴイエムウェア日本法人のジョン・ロバートソン代表取締役社長
ヴイエムウェア日本法人のジョン・ロバートソン代表取締役社長
[画像のクリックで拡大表示]

 ヴイエムウェア日本法人は2016年5月20日、報道関係者向けの説明会を開催し今年度の事業戦略を明らかにした。あらゆるクラウドを統合的に扱う環境を整えて「マルチクラウド環境」を広める。

 マルチクラウドは複数のクラウドサービスを組み合わせて活用するシステム形態。あるクラウドサービス上で構築したシステムを別のクラウドサービスに移行するとき、クラウド基盤が異なると、環境に合わせてシステムを組み直す必要がある。クラウド基盤が同一だと、システムの移行やアプリケーションの開発の効率を上げられる。

 ヴイエムウェアは3段階でマルチクラウド戦略を推進する。第1段階として、「SDDC(ソフトウエア・デファインド・データセンター)」を構築できる自社の製品/サービス群をまとめてプライベートクラウド向けに販売していく。

 第2段階では、SDDC製品群をパブリッククラウド運営企業にも販売する。ユーザー企業が同一の基盤技術でクラウドを利用できるようにする。第3段階では、ネットワーク仮想化ソフト「NSX」やクラウド管理プラットフォーム「vRealize」で接続したクラウドを統合的に管理する新たな制御プレーンを導入する。

 米ヴイエムウェアのパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は「企業のアプリケーションは、既に複数のクラウドにアクセスする状態が当たり前になっている。ヴイエムウェアの技術をクラウド基盤の標準にしていく」と目標を話す。ヴイエムウェア日本法人の2015年度総売上高は前年比24%超。伸び率は他国の2倍以上だという。ジョン・ロバートソン代表取締役社長は「セキュリティレベルの高さが評価された」と分析した。