テックビューロは2016年5月20日、ブロックチェーンのオープンソースプロジェクト「NEM」と提携し、新規に開発している中核ソフトを共通で採用すると発表した。

 テックビューロの開発しているブロックチェーンソフト「Mijin」は、NEMのコア開発者3人がテックビューロに参加し、プライベートブロックチェーンに適した高スループット版として開発したもの。MijinとNEMはいずれもJava言語で実装し、APIを含めた仕様も共通している。

 テックビューロは2016年初頭から、Java版に代わり、C++言語で実装した中核ソフト「Catapult」を開発している。「ミッションクリティカル用途の要望が増えており、より堅牢性の高いソフトをスクラッチで開発することを目指した」(テックビューロ 代表取締役の朝山貴生氏)。

 取引記録処理のスループットは、従来のJava版では秒間数千件だったところ、C++版では秒間数万件に向上するという。スループットの向上により、様々な用途で安定的な稼働が期待できるという。今後、テックビューロはMijinの開発をC++に一本化する考えで、これによりIoTや組み込み向けにも実装しやすくなる。

 テックビューロはCatapultが完成次第、Mijinに正式採用するとともに、ソースコードをNEMに無償提供する。2016年夏には、Catapultを含むMijin自体をオープンソースソフトとして公開する計画という。