写真●Origamiの康井義貴代表取締役社長
写真●Origamiの康井義貴代表取締役社長
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 EC事業を手掛けるOrigami(東京・港)は2016年5月19日、実店舗の店頭で利用できるスマートフォン決済サービス「Origami Pay」の提供を開始すると発表した。2015年10月から提供していたベータ版の正式版となる。同サービスと提携する実店舗で利用した場合、決済金額から10%割引を得られるなどのメリットがある。

 Origamiは2012年設立のベンチャー。主にスマートフォンからの利用を想定したECサイトを運営する。

 「ECサイトでは、スマホでタッチするだけで買い物ができる。これと同じような買い物体験を、小売りの店舗でも実現したい」。19日に開かれた発表会で、康井義貴代表取締役社長はこう話した。同氏によれば、日本のEコマースの市場は約10兆円。一方、店舗での小売り市場の規模は約130兆円だという。「この大きな市場を狙う。現金やカードで支払うよりも、手軽にスマホで決済できる仕組みを提供する」(康井社長)。

 Origami Payの使い方は次の通り。まず、買い物をする利用者はスマホ向けのアプリケーションOrigamiをダウンロード。メールアドレス、クレジットカードの情報、氏名などを登録する。店舗側は、あらかじめiPad向けアプリ「Origami for Business」をiPadにダウンロードする。

 利用者は、店舗側の端末にスマホを近づけると決済ができる。認証には、ワンタイムパスワードとBluetoothを利用。スマホを近づけると店側の端末でワンタイムパスワードが発行され、それを利用者がスマホアプリに入力すると決済が完了する。

 スマホ向けアプリはApp StoreやGoogle Playで無料でダウンロードできる。iOS 8.0以上、Android 4.0以上のOSに対応する。

 既にOrigamiは、日用品雑貨を扱うロフト、紳士服大手のAOKI、アパレル小売店を展開するアーバンリサーチなどと提携している。「Oirgami Payで決済すると、その他の支払い方法に比べて得になるように、割引やクーポン発行などの特典を受けられるようにしている」(Origamiの康井社長)。例えば、ロフトの渋谷店では決済金額から10%の割引されるという。