仏サンパートナー・テクノロジーズは2016年5月18日、都内で記者説明会を開催し、透過型ソーラー充電技術を用いたスマートデバイスなどの製品プロトタイプを国内で初めて披露した(写真1)。

写真1●サンパートナーの透過型ソーラー充電採用のプロトタイプ
写真1●サンパートナーの透過型ソーラー充電採用のプロトタイプ
(撮影:山口 健太、以下同じ)
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あらゆるディスプレイや窓をソーラーパネルに

 2014年末にはNTTドコモ・ベンチャーズが資本参加しており、説明会も同社のオフィスで開催された。説明会に登壇したサンパートナー社長兼共同設立者のリュドヴィク・デブロア氏は、「スマートフォンやスマートウオッチのディスプレイ、建物や車の窓、看板などがソーラーパネルになれば、あらゆる場所からエネルギーを生み出せるようになる」とのビジョンを語った(写真2)。

写真2●サンパートナー・テクノロジーズ社長兼共同設立者のリュドヴィク・デブロア氏
写真2●サンパートナー・テクノロジーズ社長兼共同設立者のリュドヴィク・デブロア氏
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 企業の沿革については、「2008年に南仏のエクス・アン・プロヴァンスで生まれた会社で、従業員は59人。150以上の特許を持っている。これまでに4500万ユーロの出資を獲得している」(デブロア氏)と紹介。台湾や中国に並行して進出しつつも、「日本の新たな出資者も探しており、協議を重ねている。2016年には収益の50%が日本から得られると想定している」(同)と日本市場を重視していることをアピールした。

 サンパートナーが保有する透過型ソーラー充電技術「Wysips」は、複数のバリエーションがあるという。「Wysips Crystal」はスマートフォンなどの画面に適しており、ディスプレイの視認性を維持しながらソーラー充電に対応できるのが特徴。出力は最大で1平方センチメートルあたり4mWとしている(写真3)。

写真3●「Wysips Crystal」
写真3●「Wysips Crystal」
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 説明会の会場には、2016年2月の「Mobile World Congress 2016」に京セラが参考出展したソーラー充電対応スマートフォンのプロトタイプも展示した。ディスプレイ面にソーラー充電セルを内蔵しており、京セラは2016年2月時点で、3分間のソーラー充電により1分間の音声通話ができる電力を得られると説明していた(写真4)。

写真4●京セラが開発中のソーラー充電対応スマホのプロトタイプ
写真4●京セラが開発中のソーラー充電対応スマホのプロトタイプ
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