富士通は2016年5月18日、関電工をユーザーとして、ウエアラブル型のIoTセンサーで作業員の健康状態を把握する実証実験を5月から8月にかけて実施すると発表した。腕に巻くリストバンド型のセンサーで温湿度や脈拍を計測することによって、電力設備の作業現場で夏場を中心に発生する熱中症を防止する。

図●実証実験のシステムイメージ
図●実証実験のシステムイメージ
(出所:富士通)
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 実証実験では、熱ストレスレベル、身体負荷レベル、活動量などを把握できるリストバンド型のIoTセンサーデバイス「ユビキタスウェア バイタルセンシングバンド」を使う(関連記事:2020年に売上高1000億円目指す、富士通のユビキタスウェアの全ラインナップが出そろう)。計測データをクラウドに転送するゲートウエイデバイスには、スマートフォン「FUJITSU Smartphone ARROWS M305」を使う。これらを現場の作業員に持たせる。

 IoTデータは、クラウドサービス「FUJITSU Cloud Service IoT Platform」で収集する。この上で、富士通ネットワークソリューションズ(FNETS)が開発中の、作業員の安全を管理するアプリケーションを利用する。これにより、作業員一人ひとりに合わせた見守りを実施するとしている。

 背景として、電力設備の設置や点検保守の作業現場は、熱中症になりやすいという状況がある。関電工では、熱中症の予防対策として、小型ファンが付いた空調服の着用や水分補給などの対策をとってきたが、さらなる取り組みも検討してきた。今回の実証実験では、富士通が提供するシステムで、IoTデータの活用基盤や機材をSIサービスとともに一式提供する「ユビキタスウェア パイロットパック」を利用する。