レッドハット テクニカル・セールス本部 シニア・ソリューション・アーキテクトOpenStackチームリードの内藤聡氏
レッドハット テクニカル・セールス本部 シニア・ソリューション・アーキテクトOpenStackチームリードの内藤聡氏
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 レッドハットは2016年5月17日、「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform(RHEL-OSP)」の新版と、OpenStackを使ったPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)開発のためのパッケージ「Cloud Suite」を発表した。それぞれ既存製品を組み合わせて割安で提供する。RHEL-OSPは、今回のメジャーアップデートから「Red Hat OpenStack Platform」と名称を改めた。新バージョンは8。同社はパブリッククラウドとプライベートクラウドを併用する機運が高まっているとして、OpenStackを使ったプライベートクラウド導入を促す方針だ。

 RHEL-OSPはOpenStackを使ったクラウド構築に必要な製品をパッケージ化したもの。新版のOpenStack Platform 8ではクラウドの運用管理を一元化するツール「CloudForms」と、仮想ストレージ「Ceph Storage」を新たに同梱する。CloudFormsはOpenStackの運用に限定し、Ceph Storageの容量は64Tバイトが上限だ。それぞれ追加料金で拡張できる。価格は従来のRHEL-OSPと同じで50万6900円から。

 もう一つの製品であるCloud Suiteはクラウド型のPaaSを開発・配備・実行するための環境一式を提供するソフトウエア「OpenShift Enterprise」と、OpenStack Platformを含むOpenStackを使ったIaaS(インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス)パッケージ「Cloud Infrastructure」を一括して提供する。価格は166万3900円から。

 OpenShift Enterprise単体の価格は156万円なので、Cloud Suiteを購入すれば実質的には約10万円でCloud Infrastructureを導入できる。Cloud InfrastructureはOpenStack Platform、仮想化プラットフォーム「Enterprise Virtualization」、システム運用管理ツールの統合製品「Satellite」などが使える。

 レッドハット テクニカル・セールス本部の内藤聡シニア・ソリューション・アーキテクトOpenStackチームリードは「OpenStackの進化が企業に認められてきている。他社と協業しながらOpenStack導入のハードルを徹底的に下げて導入を支援する」と話す。

 同社は新製品と合わせてエーティーワークスとの協業も発表した。エーティーワークスは「OpenStack Easy Start Model」と呼ぶ、設定・構築済みのサーバーを提供する予定だ。ストレージ容量などの設定項目を排除した最低構成を用意し、OpenStackの新規導入を支援する。