米Amazon.comがプライベートブランドを拡充する計画だと複数の海外メディアが現地時間2016年5月15日までに、米Wall Street Journalの記事を引用して報じた。

 同社はこれまで、リネン製品や赤ちゃん用おしりふき、乾電池といったプライベートブランド商品を販売してきたが、今度は初めて食品を本格的に手がけるという。これらの新ブランド商品は5月末あるいは、6月初めにAmazon.comのWebサイトで発売される可能性があるという。同社はこれを「Prime」会員限定で販売し、同プログラムの会員拡大につなげたい考えだとWall Street Journalは伝えている。

 同紙によると、Amazon.comはナッツ類や紅茶、食用油などの「Happy Belly」をはじめ、スナック食品の「Wickedly Prime」、洗剤などの「Presto!」、離乳食や紙おむつなどの「Mama Bear」といったプライベートブランドを立ち上げる計画。これらのブランドの商品範囲がどの程度にまで及ぶかは明らかになっていない。だが、Amazon.comはこれまでに、パスタやグラノーラ(朝食用シリアル)、ポテトチップス、チョコレートなどの食品、かみそり刃、芳香剤といった日用品の商標登録申請を行っているという。

 Amazon.comは2014年12月に「Elements」というプライベートブランドを立ち上げ、赤ちゃん用の紙おむつやおしりふきの販売を始めた。そのほか同社には「Pinzon」というシーツやタオルなどリネン製品ブランド、「AmazonBasics」というパソコンやスマートフォンのアクセサリー製品ブランドがあり、さらに最近は衣料品のブランド「Lark & Ro」「North Eleven」を立ち上げた。

 ある調査会社の推計によると、Primeの米国会員数は5000万人超に達しているが、Amazon.comはPrimeの特典を増やすことで、これをさらに拡大したい考え。一方で同社は米国で生鮮食料品のネット通販事業「AmazonFresh」も展開している。新たなプライベートブランドは同事業の拡大につながる可能性もあるとWall Street Journalは伝えている(関連記事:「Amazon Prime」の米国会員数は2015年末で5400万人、前年比35%増も伸び鈍化)。