米Googleが「Amazon Echo」に似た、検索機能と音声アシスタント機能を備えるハードウエア製品を開発していると、複数の海外メディアが現地時間2016年5月12日までに米Recodeの記事を引用して伝えた。

 このハードウエアは、Googleが昨年夏に発売した円筒型のWi-Fiルーター「OnHub」に似ているという。製品名については明らかになっていないが、事情に詳しい関係者によると、Googleの社内では「Chirp(チャープ)」というコード名で開発が進められている(関連記事:Google、Wi-Fiルーター「OnHub」を北米で発売へ、199.99ドル)。

 またGoogleは、現地時間5月18日に年次開発者会議「Google I/O」を開催するが、これに合わせて製品が発売されることはないもよう。ただし、製品は年内の発売が計画されており、今回の開発者会議で仮想現実(VR)技術とともに披露される可能性があるとRecodeは伝えている。

 Googleはこれまで、音声アシスタント技術をAndroid端末に提供してきたが、家庭向けスタンドアロン製品を市場投入したことはなかった。一方で同社のライバルである米Amazon.comは、Echoシリーズでこの分野に進出しており、すでに成功を収めていると言われている。Recodeによると、あるアナリストはAmazon.comがこれまで合計300万台のEchoを販売したと推計している(関連記事:Amazon.com、音声アシスタント「Alexa」ベースの新製品2種)。

 Googleがスタンドアロン型のアシスタント端末を開発しているという観測はこれまでも出ていた。その端末は当初、傘下のNest LabsがGoogleとともに開発する意向を示していた。だがGoogleがこれを拒否し、プロジェクトはGoogle単独で進められていると、米The Informationなどが伝えていた(関連記事:Google、「Amazon Echo」対抗の音声アシスタント端末開発か)。