米Facebookが同サービス上で人気が急上昇している記事を表示する「Trending」機能において、保守系の情報を排除するよう操作していたと報じられた問題で、同社は激しい非難に対処するためTrendingに関する内部ガイドライン(PDF文書)を現地時間2016年5月12日に公開した。

 同社グローバルオペレーション担当バイスプレジデントのJustin Osofsky氏は、「Trendingに表示するトピックの候補は人間ではなくアルゴリズムが選んでいる。また、確実に高品質で有用なトピックが表示されるようにするために人間の編集チームがある」と説明した。

 FacebookのTrending機能を巡っては、米Gizmodoが5月9日の朝、元Facebook契約社員からの情報として、Trendingの編集チームが意図的に保守派に関する記事を抑制するよう指示を受け、そうしたニュースをTrendingリストから外していたと報じた(関連記事:Facebook、保守系記事を抑制との報道に「事実ではない」と反論)。Trendingチームの責任者は同日夜、「匿名で語られた内容が真実であるとの証拠は見つかっていない。当社は厳格なガイドラインに沿っている」と反論した。

 公開された28ページにわたるガイドラインは、Trendingトピックを決定するプロセスにおけるコンピュータアルゴリズムと編集チームの役割を詳しく説明している。米メディア(Forbes)がまとめた概要によると、まず、Facebook上での注目度や外部RSSクローラーが検出した話題の出来事などをもとにアルゴリズムがトピックを選ぶ。次いで、編集チームのメンバーがこれらトピックについて現実の出来事と一致しているか確認し、10の主要ニュースメディアでの関心度と参照するなどして、重要度を判断する。

 編集メンバーは、同じ内容を指す複数のハッシュタグを統一させたり、重複した内容のニュースを取り除く作業も行うという。

 Osofsky氏は、同アルゴリズムが政治的観点などを考慮する仕組みにはなっていないことを強調し、「同ガイドラインは、話題になっている最も重要な記事を表示するために、我々が一連のチェックと調整を適切に行っていることを証明している。当社は、編集メンバーにどのような政治的志向の情報源に対しても差別することを許可していないし、指示してもいない」と述べた。

 米New York Times英Guardianは、アルゴリズムが様々なトピックの選択を担う一方、どのトピックをTrendingリストに表示するべきか、優先するべきかについては、わずか12人の編集メンバーの介入に大きく依存していると指摘している。

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