ITホールディングスは2016年5月10日、2016年3月期の連結決算を発表した。売上高は2015年3月期比6.0%増の3826億円、営業利益は同15.7%増の244億円で増収増益となった。2008年にTISとインテックホールディングスが経営統合してから、売上高と営業利益はともに過去最高を更新した。金融分野を中心に総額50億円を超える複数の不採算案件が発生したが、好調なIT投資を取り込み補った。

 セグメント別に見ると、最も好調だったのは「産業ITサービス」セグメントで増収増益。売上高は2015年3月期比8.2%増の1800億円、営業利益は同41.5%増の99億円。2016年4月に始まった電力小売り自由化に伴った、電力会社や新規参入事業者向けシステム構築などの需要を取り込んだ。

 「金融ITサービス」セグメントは不採算案件が響き、減収減益。売上高は2015年3月期並みの795億円、営業利益は同39.4%減の33億円となった。

 データセンター事業などの「ITインフラストラクチャーサービス」セグメントは増収増益。売上高は2015年3月期比6.5%増の1259億円、営業利益は同24.3%増の89億円となった。

 2017年3月期の連結業績予想は、売上高は2016年3月期比1.9%増の3900億円、営業利益は同8.4%増の265億円とした。好調なIT投資を追い風にするとともに、リスク要因となる不採算案件発生の抑制を徹底して達成を目指す。